
体験ダイアリー · 物語としての場面
鍛えた体の、もう一つの学び:力を抜くということ
彼女の体は、毎日の鍛錬で作られていました。強くなることは得意でも、力を抜くことは知らなかったのです。
彼女は長年、体を鍛えることを日課にしてきた。筋肉は正直で、努力に応えてくれた。けれど、その体はいつも張りつめていて、休む日も全力で休めなかった。スタジオに来た日も、彼女の肩は無意識に力んだままだった。
セラピストは、その張りを責めなかった。温かいタオルで包み、手のひらの重みで少しずつ、筋肉に「もう大丈夫だ」と伝えていく。やがて彼女は、自分が初めて経験する種類の感覚に驚いた——力を入れるのではなく、抜けていく感覚。温もりの中で、体が素直にほどけていった。
帰り際、彼女は言った。「強くなる練習はしてきたけれど、力を抜く練習は今日が初めてだった」。鍛えた体に必要なのは、もう一つの学び。その収穫を抱えて、彼女は夜の街へ歩いていった。

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